相談所だより

第8号(1996/3/12)HP掲載記事

不登校の子を持つ親の会
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不登校の子を持つ親の会

相談所だより 第8号(1996・3・12)より
☆☆質問1☆☆

親の会の果たす役割について

 登校拒否を克服する手引き「第二集」(和歌山県教育相談センター発行)に掲載されている「親の声」を 読みました。
 我が子が学校へ行けなくなった時の親の不安や動揺が大きいことが読み取れます。
 この不安や動揺を乗り越えて子どもに関わるのに「親の会のあることを知って参加し励ましを受け私も頑 張ろうと思った・・・・」という手記が多く、登校拒否の子どもに関わる親にとって「親の会」の存在がか なり大きいことを感じました。
 登校拒否の子どもを担任している私達も、親に「親の会」のことを知らせてあげるべきではないかと思う ようになりました。
 親が「親の会」に参加するかどうかはそれぞれの親が選ぶことだと思いますが、知らせてあげることは大 切だと思います。
 そこで、「親の会」の組織や活動状況、入会する時の手続きや連絡先、会員でないと参加できないのかど うかなど親の会について教えてください。

☆☆答え☆☆

登校拒否の子どもを持つ「和山県親の会の組織親の会の結成」

 和歌山県に親の会が結成されたのは八年前(一九八八年)のことです。「県親の会」が二ケ月に一回、学 習交流会を開いて勉強し、経験を交流し、励まし合いながら、各郡市にも「郡市親の会」をつくってきまし た。
 二年前に、組織も財政も、もっとしっかりした「親の会」にしようと呼び掛け合い、会則と組織体制の整 備、月1000円の会費の徴収、活動できるような役員も選ばれ、悩んでいる親や子どもたちの期待に応え られるような「親の会」になり、会員も150になりました。
 現在は、登校拒否の子を持つ親の会として、

 ★伊都・橋本市は「なすの会」 
 ★那賀郡は「那賀郡親の会」 
 ★和歌山市は「和歌山市親の会」
 ★海草・海南市は「海草・海南市親の会」
 ★有田郡市は「有田郡市親の会」
 ★西牟婁・田辺市は「たんぽぽの会」
 ★日高・御坊市は南の地方にだけに「親の会」が出来ていて全郡市に広げようとしています。
 ★東牟婁・新宮市は個々に参加していますが、まだ組織は出来てなくて、いま準備しているところです。

 会員は、会費をおさめて「郡市親の会」に入ると「県親の会」の会員として活動することになります。
 西牟婁・田辺市では、「たんぽぽの会」(親の会)を支える「たんぽぽの会後援会」が結成され、その後 援会の中に、直接子どもに関わる若い世代の集団として「わたぼうし」が組織され、子ども達の集まる行事 などを呼びかけています。

どんな活動をしているか

★★★学習や経験の交流★★★
 県親の会は二ケ月に一回、郡市親の会も二ケ月に一回(親にとっては毎月)学習したり、経験を交流する 会を開いています。
 学習や経験の交流のしかたについては、学者や相談員など専門家を招く場合もありますし、回復した本人 や親の体験を聞く時もあります。年齢別に別れて経験を語り会う場もあります。会員の希望や意見を聞いて 計画しているようです。
 郡市親の会では、それぞれ独自に色々な計画をたてて活動しています。「お互いの経験を交流する」「い っしょに食事をして励まし合う集い」「週に一回、読書会で学習する」「親の会の主催で子どもと一緒に遊 ぶ集い」「一日行事やキャンプ」「よく似たタイプの子どもを持つ親と親との二人だけの交流」など実状に 即したさまざまな活動が行われています。

★★★行政への働きかけ★★★
 登校拒否が問題になってからまだ日も浅いため親も学校も行政も研究しつつ取り組んでいるのが実状です 。
 親や学校は直接子どもに関わりますので研究も実践も急速に進み、学者や医者や相談員などと共同した取 り組みで貴重な教訓や経験が蓄積されています。
 しかし、行政の施策や取り組みは緊急に必要な居場所づくりや、入試などの特別な配慮、受け入れる高校 の条件整備など、ほとんど手が付けられないままになっています。
 親の会は、回復を助ける条件整備や、進路を保障するための行政施策を実現するための運動をすすめてい ます。
 多くの県民や、PTAや教育関係者、学校の先生方にも呼びかけた署名活動や県議会への請願運動など、 行政への働きかけもすすめています。
 こうした取り組みのなかで、市町村の関係者が力を入れて下さって次のようなことを実現してくれていま す。

 ★市町村独自に親の会への補助金の支出(十万円高野口町)
 ★親の会の活動への援助(橋本市・すさみ町・串本町・印南町・かつらぎ町)
 ★市・町独自で相談所や居場所などの取り組みをしている(田辺市・上富田町・白浜町・湯浅町・粉河町 )

などが広がりはじめています。

親の会で励ましを受ける親

 自分の子どもが学校へ行けなくなると、子どもの未来を心配する親は例外なく不安と動揺が大きく、落ち 込みも激しいものです。
 子育てに問題があったのではないかと自らを責めたりして親も元気をなくす場合が多いものです。
 はじめは、学校へ行くことや、勉強へのこだわりをはずして、ゆっくり休ませる関わりをしなければなり ませんので親類や友人、近所の人にもすぐには理解してもらいにくい面があります。
 学校へ行けない本人が罪悪感で閉じこもるように、親も友人・知人に会うのもつらくなるものです。この 苦しさは本人も親も何とも言えない切ないものです。
 この苦しさの中で「本当に気持ちを解ってくれる人との出会い」は極めて重要な意味をもつのです。とり わけ、同じ悩み・苦しさを共感できる「登校拒否の子を持つ親」との出会いは特別の意味があります。
 私達、相談員が励ましても明るさを取り戻せない親が、同じ悩みや苦しさをわかり合って語り合い、又、 かつて、登校拒否で苦しんだ親と子が、それを乗り越え、回復した体験を聞くことによって展望を見い出し 元気を出してわが子と関われるようになるものです。
 登校拒否の子どもに対する親の関わりについては、親同士の共感と交流が限りない力をそれぞれの親に与 えるのです。
 従って、登校拒否の子どもをもつ親にとっては、一日も早く親の会を知り、語り合い・励まし合えるかど うかが、回復にとって、とても大切なことです。

親の会の紹介

 親に「親の会」のことを知らせてあげるべきではないか。と思って下さった先生に感謝します。
 半年あまりたってから相談に見えられた親が、私達の紹介で親の会に参加された後で、私達に

 「親の会に参加して気分が楽になり、落ち着いて子どもに関われるようになりました。
 家の子よりも、もっとひどい閉じこもりの子どもが回復された経験を聞いて勇気と自信が湧いてきました 。
 もっと早く行ったら良かったのにと思っています。
 相談員の先生方は、学校の先生方に、親の会のことを知らせておられないのですか。
 半年もたつのに、学校の先生方は教えてくれませんでした。」

と、お叱りを受けたことがあります。
 もちろん、親の会に参加するかしないかは、それぞれの親が選ぶことですから、参加するかどうかは自由 にされることを前提にして、「親の会」の存在については紹介してあげて下さるようお願いしたいと思いま す。
 「親の会」は入会していなくても(登校拒否の子を持つ家族であれば)連絡さえしておけば集まりに参加 できること。
 入会しないで集まりに参加して様子を知ってから入会するかどうかを決められることも教えて上げて下さ い。

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